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各種湿式ろ布

合成繊維

ポリオレフィン系繊維

ポリプロピレン

あらゆる繊維中、比重が最も軽い0.91です。耐薬品性に優れ、酸、アルカリにも侵されません。吸水性がなく繊維の表面が円滑です。そのため脱水効果が良く、ケークの剥離性が優れています。合成繊維の中では一番経済的です。

<用途> 陶土・クレー・清酒・ビール・化学薬品・工場汚水処理・その他

芳香族ポリアミド系繊維

ナイロン

あらゆる繊維の中で最高の抗張力を持っています。耐摩耗性が非常に優れ、平面摩耗、屈曲摩耗ともに抜群です。ナイロン繊維の特性である滑らかさが活かされて、ケークの剥離性が優れています。

<用途> 化学工業・クレーン・工場汚水処理・その他

ポリエステル系繊維

テトロン

テフロンを除く合成繊維の中で最も耐熱性に優れ、100℃以下であれば全ての使用条件に耐えられます。強度及び耐摩耗性が優れています。また、濡れたときの強度低下はありません。耐薬品性、特に酸に対する性質が優れています。寸法安定性が極めて良好です。したがって使用時の収縮がなく、目詰まりの心配がありません。

<用途> 精油・砂糖・セメント・製鉄・その他

ポリ塩化ビニリデン系繊維

サラン

耐薬品性に優れ、酸、アルカリに侵されません。耐摩耗性に優れています。日光に強い。

<用途> 化学工業・工場排水処理・その他

主な用途と種類

       ポリオレフィン系 ポリアミド系 ポリエステル系 ポリアクリルニトリル系
ポリプロピレン ナイロン ポリエステル アクリル
ステープル フィラメント ステープル フィラメント ステープル フィラメント ステープル
引張強 g/d 5.0~8.0 5.0~7.5 4.2~6.6 5.0~8.7 4.0~5.3 4.2~7.5 2.5~4.5
湿 5.0~8.0 5.0~7.5 3.6~5.7 4.2~7.7 4.0~5.3 4.2~7.5 2.0~4.0
伸度 % 30~50 15~30 38~45 18~36 40~50 7~28 27
湿 30~50 15~30 40~52 21~48 40~50 7~28 48
ヤング率 ㎏/㎟  300〜500 330~700 150~250 250~400 400~800 1000~2000 ~630~
比重 0.91 1.14 1.38 1.17
水分率65%RH % 0 4.5 0.4 2.0
日光の影響 抵抗性が低いが、
安定剤の添加により、
テトロン程度には改善可能
長時間曝すと僅かに強力
低下するが変色しない
長時間曝すと僅かに強力低下するが
変色なしガラス越しでは
直射日光よりも耐える
実質的に変化なし
熱の影響 軟化点120~145℃
熔融点164~166℃
100℃以上の温度で徐々に収縮開始
軟化点180℃
熔融点215℃
軟化点238~240℃
熔融点259~263℃
150℃168時間加熱で変色なく
強力損失30%以下
軟化点190~240℃
300~320℃で粘着熔融以前に
炭化する
無機酸の影響 発煙硝酸にのみ侵されるが、
他の酸には非常に抵抗性がある
冷濃塩酸、硫酸で一部分解を伴い
溶解
濃硫酸に少なくとも、部分的分解を伴い
溶解、他の大部分の鉱酸に抵抗性良好
鉱酸に対し抵抗性良好ないし
極めて良好
アルカリの影響 非常に抵抗性があり
高温でもかなり耐える
殆ど変化なし 室温で弱アルカリに抵抗性良好
強アルカリにもかなり耐えるが、
煮沸強アルカリで分解
弱アルカリに対する抵抗性は
かなり良好
他の化学薬品の影響 重クロム酸カリー硫酸
過マンガン酸カリー硫酸の如き
強酸化剤にも安定
一般に良好な抵抗性あり 一般的に耐性良好、漂白剤
他の酸化剤に特に耐える
一般に抵抗性良好
有機溶剤の影響 通常の溶剤では影響なし
塩素化した溶剤に高温で溶解
フェノール類、濃蟻酸に溶解、
安息香酸蓚酸で強力低下
一般に不溶、二、三のフェノール類に
溶解
一般の溶剤に不溶
かびの影響 侵されない 極めて著しい抵抗性あり 侵されない 侵されない
       ポリビニールアルコール系 ポリ塩化ビニリデン系 天然植物質繊維 天然動物質繊維
ビニロン サラン 綿 羊毛
ステープル ステープル フィラメント ステープル ステープル
引張強度 g/d 4.2~7.0 0.7~1.5 1.5~2.6 3.0~4.9 1.0~2.0
湿 3.2~5.8 0.7~1.5 1.5~2.6 3.3~5.4 0.8~1.8
伸度 % 14~26 18~33 18~33 6~10 20~40
湿 15~30 18~33 18~33 7~11 30~60
ヤング率 ㎏/㎟  530~820 70~130 100~200 ~1200~ ~200~
比重 1.28 1.76 1.54 1.32
水分率65%RH %  5.0 0 8 16
日光の影響 長時間曝すと僅かに強力
低下する
長時間曝すと僅かに黒ずむ 長時間曝すと強力を減じ黄変する 長時間曝すと強力を減ずる
熱の影響 軟化点220~225℃
熔融点230~240℃
200℃以上で収縮開始
軟化点115~137℃
熔融点150~160℃
145℃近辺で収縮開始
かなり抵抗性があるが、
120℃5時間で黄変、
150℃で熱分解開始
100℃で粗剛となり130℃で熱分解、
205℃で焦げ、300℃で炭化
無機酸の影響 濃硫酸、濃塩酸で膨潤又は分解 王水を含むすべての酸で
殆ど影響なし
熱稀酸、冷濃酸で分解、
冷稀酸に耐える
熱硫酸で分解するが
他の弱酸強酸には
加熱状態でもかなり耐える
アルカリの影響 強アルカリで黄変するが、
強力に変化なし
濃アンモニア水、濃苛性ソーダ液に
多少影響される
苛性ソーダで膨潤するが損傷なし 強アルカリで分解、
弱アルカリにも侵される
他の化学薬品の影響 濃蟻酸で、膨潤又は分解動鉱、
植物油に耐える
一般に良好な抵抗性あり 冷亜塩素酸、過酸物で
漂白銅アンモニア液で
膨潤又は分解
過酸化物、亜硫酸ガスで漂白
有期溶剤の影響 熱ピリジン、フェノール、
クレゾールに膨潤又は溶解
一般に抵抗性良好であるが、
エステル、エーテル類に損傷される
一般の溶剤に不溶 一般の溶剤に不溶
かびの影響 極めて著しい抵抗性あり 侵される 漂白、醋化しないと耐性低い 良好
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