各種乾式ろ布について
合成繊維
脂肪族ポリアミド繊維
ナイロン6・ナイロン66
摩耗性の強いダスト、例えば研磨剤とか、鋳物砂の回収、セメント関係の集じんに多く使用されています。 ナイロン6の常用最高温度は100℃で、塩基性の雰囲気に優れています。またナイロン66は、ナイロン6とほとんど同じ性能を持っていて、常用最高温度は120℃となっています。
芳香族ポリイミド系繊維(メタ系アラミド)
コーネックス・ノーメックス
アスファルトプラント、キューポラ、焼却炉、石炭ボイラーなど燃焼ガス集じんにおいて多くの実績を持っています。常用最高温度は180℃~200℃、難燃性で400℃以上で炭化分解します。 ただ耐酸性に優れているとは言えませんので、酸が凝縮する恐れがある場合などは充分注意する必要があります。
ポリエステル系繊維
テトロン
フィルターバグのうちで最も多く、その活用範囲は極めて広いものがあります。特に鉄鋼関係では高炉鋳床、転炉環境、電炉建屋等大規模集じんに多く実績があります。 耐薬品性としては酸性の雰囲気に耐性を持っていますが、高温多湿の雰囲気で加水分解を起こし、著しく劣化しますので注意を要します。常用最高温度は120℃~130℃となっています。
ポリプロピレン系繊維
パイレン(ポリプロ)
耐薬品性は酸、塩基両サイドに極めて強い耐性を持っていますので、特殊な分野のフィルターバグとして重用されています。常用最高温度は90℃で、一般の有機溶剤には不溶ですが、酸化還元剤に対しては問題があります。
ナイロン6 | ナイロン66 | テトロン | パイレン | 耐熱ナイロン | アクリル | 綿 | |
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強度 g/d | 4.8~6.4 | 5.3~6.4 | 4.3~6.0 | 4.5~7.5 | 4.5~5.5 | 3.2~5.0 | 1.5~3.0 |
伸度 % | 28~45 | 28~38 | 20~32 | 25~60 | 35~50 | 12~20 | 5~10 |
比重 | 1.14 | 1.14 | 1.38 | 0.91 | 1.38 | 1.14 | 1.54 |
水分量 | 4.5 | 4.5 | 0.4 | 0.05 | 4.5 | 2.0 | 8 |
耐融点 ℃ | 220 | 260 | 260 | 173 | 473 | ||
熱軟化性 | 180 | 235 | 240 | 160 | 240 | ||
使用温度 ℃ | 110 | 140 | 140 | 100 | 204 | 140 | 80 |
耐酸性 | 不 | 不 | 良 | 優 | 可 | 良 | 不 |
耐アルカリ性 | 優 | 優 | 可 | 優 | 良 | 優 | 不 |
耐摩耗性 |
主な用途と種類
アスファルトプラント集じん装置 | 耐熱ナイロン |
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高炉鋳床、転炉製鋼工場集じん装置 | テトロン |
焼結設備、亜鉛電炉集じん装置 | テトロン |
コークス炉排ガス、亜鉛電炉集じん装置 | パイレン、テトロン |
製鋼用アーク炉集じん装置(直引、建屋) | ガラス、テトロン |
フェロアロイ開放型アーク炉集じん装置 | ガラス、テトロン |
鋳物工場集じん装置 | 耐熱ナイロン、パイレン、テトロン、綿 |
セメントクリンカ集じん装置 | ガラス、テトロン、耐熱ナイロン |
砕石プラント集じん装置 | パイレン、テトロン |
製粉、肥料、製薬工場集じん装置 | パイレン、テトロン |
カーボンブラック製造用集じん装置 | ガラス |
スプレードライヤー集じん装置 | 耐熱ナイロン |
キューポラ | ガラス、耐熱ナイロン、テトロン |
石灰焼成炉 | ガラス、耐熱ナイロン |
アルミニウム二次精錬集じん装置 | ガラス、耐熱ナイロン |
石膏焼成炉集じん装置 | 耐熱ナイロン、アクリル |
木くずボイラー排ガス集じん装置 | ガラス、耐熱ナイロン |